ただ、当時は32歳とまだ若かった。マスコミが踊れ踊れと報じるばかりに、自分を見失ってしまったり、プレッシャーに負けてしまった選手もたくさんいた。僕の性格だと踊らされないような気もしますが、浮かれてしまって、あれほど体をいじめぬくような練習量はこなさなくなっていたかもしれません。
他の選手は打つ、走る、守るでお金をもらっていたが、ケガで足が使えない僕は打つだけでお金をもらっていた。アキレス腱断裂がなければ、DHのない阪神のトレードに喜んで応じていたと思います。
●かどた・ひろみつ/40歳になった1988年に44本塁打、125打点で打撃二冠に輝き「不惑の大砲」の異名をとる。通算567本塁打、1678打点は歴代3位。2566安打は歴代4位。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号