ビジネス

男性が「肌色メイク」する時代 プレゼン前の上級管理職も

メンズメイクをサービスに加える美容室も増えつつある(イメージ)

メンズメイクをサービスに加える美容室も増えつつある(イメージ)

 男性が素肌を整えるスキンケアが若者だけでなく中年にも一般的になりつつあるが、最近はさらにメイクで「肌色を整える」ことも広がりつつある。肌色を整える男性向け商品がドラッグストアにも複数、陳列され、ファッション誌『MEN’S NON-NO』による第5回「メンズノンノ美容大賞」2019年では「メイク部門」がもうけられ、コンシーラーやBBクリーム、ファンデーションが入賞した。男性専用メイクサロンの草分け的存在であるイケメン製作所(東京・銀座)創業者の手塚拓海CEOは「異性から受け入れられると安心できるようになり、行動に移し始めたのだと思います」という。

 その言葉を裏付けるように、2019年10月に株式会社資生堂が20代~50代の男女を対象に実施した「男性のスキンケアと肌や眉を整える等の行為に関する意識調査」は、メンズメイクを女性が肯定的に捉えていることがはっきりと分かる結果だった。

 仕事相手の男性がメイクをしていることに気付いた場合の印象は「とても好印象」31.5%、「どちらかというと好印象」28.9%、「なんとも思わない」28.4%という結果で、約9割もの女性がメンズメイクに抵抗がないことが分かった。

 仕事で関わるだけなら他人だから、無責任なことを女性が答えているのではないかと疑うひともいるかもしれない。しかし、同調査で「男性の恋人がメイクをしていることに気付いた場合」の印象について尋ねても、「とても好印象」27.3%、「どちらかというと好印象」22.8%、「見た目が素敵になっていればいい」11.6%、「自然な仕上がりであればいい」9.4%と、肯定的に捉えている女性が約7割と多数派であることが判明した。

 男女ともに起きている意識の変化を受けて、資生堂では2018年4月から「肌マネジメント研修(ビューティ講座)」と名付けた、男性向けの研修を企業や大学で実施している。商品を使って実際に自分の顔で試す内容を含んでおり、スキンケアに始まり、フェイスカラークリエイター(BBクリーム)で肌色を整える体験ができる。

 前出のイケメン製作所では、髪と眉毛を整え、メイクしていると気付かれにくいメンズメイクを施す。客の希望にもよるが、顔全体の色を変えるというよりは目のクマ、しみ、ニキビ跡、ヒゲのそり跡などを自然な形でカバーするメイクを提案している。コンシーラーを部分的につかって肌に馴染ませる、自分で10~15分ほどで再現できるやり方が多い。

 肌色を整えるメイクについては、以前から男性にもニーズがあるはずだと、前出の手塚氏は2012年に男性向け美容クリニック「ゴリラクリニック」を創業したときから感じていたそうだ。

「男性向け美容クリニックではヒゲ脱毛が評判となったのですが、脱毛だと費用も時間もかかるので、誰でもチャレンジできるわけではない。もっと手軽にヒゲ跡をカバーできるメイクが、必ず多くの人の求めるものになると思っていました。そして2017年9月に『イケメン製作所』を始めたころから広まったInstagramの影響で、男性も自分の見た目を整えることに抵抗がなくなっていったと思います」

関連キーワード

関連記事

トピックス

筒香が独占インタビューに応じ、日本復帰1年目を語った(撮影/藤岡雅樹)
「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」
NEWSポストセブン
テレビの“朝の顔”だった(左から小倉智昭さん、みのもんた)
みのもんた「朝のライバル」小倉智昭さんへの思いを語る 「共演NGなんて思ったことない」「一度でいいから一緒に飲みたかった」
週刊ポスト
陛下と共に、三笠宮さまと百合子さまの俳句集を読まれた雅子さま。「お孫さんのことをお詠みになったのかしら、かわいらしい句ですね」と話された(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
【61才の誕生日の決意】皇后雅子さま、また1つ歳を重ねられて「これからも国民の皆様の幸せを祈りながら…」 陛下と微笑む姿
女性セブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン