大学入試センター試験で、受験生にリスニング用の機器を配布(写真/共同通信社)
試験問題の質が高く、運営上のトラブルも少ないと言われたセンター試験だが、安倍内閣が打ち出した教育改革の一環で、来年度から新テストに生まれ変わる。だが改革の目玉だった国語・数学の記述式試験、英語の民間試験は、専門家らの批判を受けてどちらも延期が決定。「入試改革を考える会」代表で中京大学教授の大内裕和氏が言う。
「そもそも全国50万人が受ける大規模な試験。マークシート式のセンター試験と違って、記述式問題の公平な採点はかなり困難です。改革の2本柱が延期となった今、新テストの実施そのものを白紙撤回し、一から入試改革の在り方を議論して、実現可能性を検証すべきです」
本質的に大学入試が変わるのはまだ先になりそうだ。
※週刊ポスト2020年1月17・24日号