「特定班」のターゲットになった佐野研二郎氏(写真/AFP=時事)
鬼女の存在が広く知られるようになったのは、2007年、レイザーラモンHGの妻で元グラドルの住谷杏奈に対するバッシングだった。
「手作りのロールパン」としてブログにアップしたものが、市販のロールパンだったことが突き止められたのをきっかけに、過去の写真や発言が徹底的に追及された。
「鬼女は30代以上の既婚女性で、主婦が多いとされている。比較的高学歴で、経済的にも時間的にも余裕がある。そんな層だと推察されています。ただし、女性のふりをした男性も一定数交じっているようです」(ITライター)
鬼女らネット特定班の捜査力が向けられるのは芸能人に限らない。時として世論をも動かす。
2015年、デザイナーの佐野研二郎氏がデザインした東京五輪のエンブレムに盗用疑惑が上がった際、特定班の捜索でエンブレムが白紙撤回にまで追い込まれた。
「五輪エンブレムとベルギーのリエージュ劇場のロゴの類似性が指摘された当初、新聞やテレビは“シンプルなデザインだから似ることもある”と佐野氏を擁護する論調だった。ところがその後、特定班たちが過去のデザインを徹底的に調べ上げて、多数の“余罪”が明らかになったんです。これらの検証によって、大会組織委員会はデザインを撤回せざるを得なくなりました」(同前)
※週刊ポスト2020年2月7日号