●高齢者こそ「たんぱく質」を摂る
がんと診断された途端、肉類を一切口にしなくなる患者さんは少なくありません。しかし、がん発症後はもちろん、予防のためにも、たんぱく質が多く含まれる肉や乳製品などの摂取は必要です。
特に66歳以上の高齢者では、高たんぱく質の食事を摂る人は低たんぱく質の人に比べ、がん死亡率が60%低いとの研究結果もあります。むしろ高齢者こそ肉を食べたほうがいいわけです。
がんは加齢とともにリスクが高まりますが、100年以上生きている百寿者のがん罹患者は少ないというデータもあります。実際、百寿者は肉や乳製品などをたくさん食べているのです。
●同じ食品を「食べ続ける弊害」
身体によいとされる食べ物も摂りすぎは禁物です。運動は多ければ多いほどがんリスクを減らしますが、食べれば食べるほどリスクが減るというわけではありません。
大切なのはバランスよく食べることです。例えば健康的と人気の玄米やヒジキには、発がん性のある無機ヒ素が含まれています。無機ヒ素はお米にも含まれ、国際がん研究機関はお米を、最もリスクが高い「グループ1」に分類しています。内閣府食品安全委員会は〈ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない〉としていますが、過剰摂取はお勧めできません。