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豪栄道の奇妙な引退、協会理事選の駆け引きに使われた可能性

会見では「やり切った」と語ったが…(時事通信フォト)

「数年前から、大関から落ちたら引退しようと心に決めていた」。カド番で臨んだ初場所で負け越した大関・豪栄道は、引退会見でそう明かした。ただ、会見に至る経緯には「奇妙な点が複数ある」(協会関係者)という。

 ご当地場所となる春場所で10勝をあげての大関復帰を目指すことなく引退すると表明したのは千秋楽の3日後(1月29日)。春場所の番付編成会議の当日までずれ込んだ。

 しかも、引退の一報は千秋楽翌日に流れたものの、その時点で「××を襲名」といった親方名の情報はなく、その翌日の協会の発表で「武隈」の襲名が明らかになった。

「大関は年寄株がなくても3年は現役名で協会に残れる特例があるのに、なぜ『武隈』を持っていることが当初、はっきりしなかったのか。何か水面下でギリギリの駆け引きがあったのではないか」(同前)

 引退後に親方となるためには、原則として105ある年寄株のいずれかを所有する必要がある。その確保が難しくなっていることが、豪栄道の引退経緯からも垣間見える。

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