【4】卵や肉からコリンを摂取しよう
食事からコリンを適度にとっている人は認知症のリスクが28%も低いことがわかったと発表しているのは、東フィンランド大学の研究だ。
コリンは、神経伝達物質のアセチルコリンの材料になる。大豆、卵黄、牛肉、豚肉、鶏レバー、たら、えび、ピスタチオ、ブロッコリーなどに含まれている。コリンが不足すると認知障害が起こることがわかっているので、食事から積極的にとりたいものだ。
【5】オメガ3脂肪酸のいい油をとる
青魚に多く含まれるDHAやEPAはオメガ3脂肪酸の代表選手。また、えごま油やアマニ油、クルミに含まれる油も体内に入るとDHAに変化する。
抗酸化力が高く、動脈硬化を防いで血液の流れを改善するだけでなく、脳の神経細胞の育成や維持にも関係が深いといわれる。認知症予防にはぜひとりたい。
【6】社会的に孤立しない
英国イーストアングリア大学の研究では、家族や友人との人間関係が悪いと、認知症リスクが30%高まるという。また、社会参加の少ない高齢者は、アルツハイマー病の発症にかかわるアミロイドβが蓄積しやすいことも、別の研究でわかっている。
良好ではない家族関係や社会的孤立、孤独などがストレスとなって、認知症の発症リスクを高めていると推測されている。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。著書に、『人間の値打ち』『忖度バカ』など多数。
※週刊ポスト2020年2月21日号