ライフ

認知症予防のための6つの生活改善、そこまで難しくない

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 認知症の治療について取り組み続けている諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師。今回は、認知症予防のための6つの生活改善を紹介する。

 * * *
【1】肥満やメタボ、高血圧、高血糖に注意する

 これらは慢性炎症を起こしやすくし、認知症リスクを高める。特に高血糖は認知症リスクが高いので、野菜をたくさんとったり、運動をしたりして注意したい。

 また、上の血圧140、下の血圧90を、どちらか一方でも超えている高血圧の人は、正常血圧(120未満/80未満)の人に比べて、認知症リスクが49%高くなるといわれている。運動と減塩で改善したい。

【2】朝、軽い運動をしよう

 オーストラリアのベイカー研究所の論文によると、朝の運動は記憶力、意思決定能力、集中力など全般的な認知能力が向上するという。この研究では、8時間座り続けた場合と、時々3分間の軽い運動をした場合では、短期記憶力が明らかに違うこともわかった。

 ついでに、肥満やメタボが気になる人は、朝食前に運動すると、脂肪燃焼が2倍よくなる。認知症予防とダイエットの両方を狙いたい人は、朝食前に運動するとよい。

 運動は、軽くていい。以前、この連載でも紹介した鎌田式スクワットやかかと落としなら数分でできる。最近、ぼくはもう少し負荷の大きいワイドスクワットをやっている。両足を肩幅の倍くらいの幅に開いて、つま先を45度外に向ける。背中と顔をまっすぐにした形で、息を吸いながら腰を落とし、息を吐きながら立ち上がる。10回1セット。ゆっくりやるのがコツだ。

 ワイドスクワットは、太ももの内転筋を鍛えるので、太ももが太くなりにくい。美脚を目指す女性にもおすすめだ。

【3】質のよい睡眠をとる

 カリフォルニア大学バークレー校の論文によると、中年期に睡眠の質が悪いと認知症になりやすいという。睡眠の質が悪くなると、タウタンパクが記憶を司る海馬周辺に蓄積しやすくなり、記憶力の低下を起こすといわれている。

 睡眠の質をよくするには、朝、太陽の光を浴びるとよい。朝、日光浴をするとセロトニンが分泌され、これが夜、睡眠誘導物質のメラトニンの材料になる。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン