ホストと2人きりになりたい女性が増えている(AFP=時事通信フォト)
◆時代は「個」のサービスへ
デートプランのある彼氏代行サービスを開業予定のTさん(30代)は、以前はホストクラブを経営していたのですが、深夜営業ができなくなったり、大手に人気が集中したりとなかなか厳しい状況にあるため、出張サービス業を新たに始めることにしたと言います。
派手に稼いでいるように見えるホスト業界ですが、売れているのは一部のホストのみ。指名客が増えないと収入は増えないシステムです。特に新宿・歌舞伎町には200以上もの店舗があるため、客の奪い合いも壮絶で稼ぐのが厳しくなってきています。
そこで、ホストほどではなく彼氏代行の世界も月収300万円ほど稼ぐ人がいるため、Tさんも十分に夢があると判断したのだとか。
また、このサービスの開業を決意した要因に、ホストクラブに来る女性客の変化があったそうです。
できるだけ他の人に見られず、ホストと2人きりになりたがる女性が増えているのです。こうした客は、ホストに自分のことだけを見てもらうことを求めるのだとか。
「彼氏代行サービスでは1対1でデートをするので、本当の恋人にかなり近い体験ができます。こうした本物感覚を多くのお客様が求めていることに気付きました」(Tさん)
◆「今だけは恋人」という錯覚にハマる
マッサージにしても、デートのみの出張ホストにしても、ふたりきりで時間を過ごせるところがポイントなのです。
ふたりで食事をしたりカラオケをしたりまたはマッサージをしてもらったりとデートを楽しんでいる間は、まるで本当の恋人のような親密感を得ることができます。道を歩く時も、出張ホストと客だと見破ることができる人はほぼいないでしょう。
デートをしているその時だけは、寂しい毎日を忘れ、男性に愛されている自分を疑似体験することができる。彼氏代行サービスにお金を払ってさよならした後にはまた孤独が戻ってくるのですが、幸せな錯覚を胸に、日々を頑張ることができます。
定期的に呼んでいる男性がいる女性は、次に彼に会う日を楽しみに、おしゃれやダイエットにも励むこともできるのです。