◆おひとりさま、時々恋人あり

 私は2007年に『男はときどき買えばいい』という本を出版しました。その当時は「男の人とデートをするのにお金を払うなんて」と眉をひそめる人のほうが多かったのですが、2020年の今は、支持してくれる人がかなり増えました。それは、おひとりさま人口の大量増加とは無関係ではないはずです。

 独身男女の半数以上もが恋人がいないと言われる時代、多くがおひとりさまライフを楽しんでいます。けれど、ふと寂しくなった時に、誰かと恋愛ごっこをしてみたくなり、そこに出張デートの需要が生まれるのでしょう。

◆宅配される「擬似恋人」

 現代人にはやりたいことややるべきことがたくさんありすぎて、恋愛にあまり時間を割けなくなっています。もし本当に恋人ができたら、毎日連絡を取り合ったりデートしたりと時間を消費しなくてはなりません。

 その点、彼氏代行サービスのような擬似恋人は、会いたい時だけ会えるヴァーチャルな関係です。多少お金がかかっても時間をロスしたくないタイプの女性には快適なのです。

 いまや、家にいながらにして近くのレストランの料理を宅配してもらえる時代です。料理のデリバリーを頼む時のように、好みの男性の顔写真を選んで気軽に呼び出せるのは、恋愛にあまりのめり込みたくない女性にはとてもありがたいシステム。今後もこうしたサービスは進んでいくかもしれません。

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