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2020.02.19 16:00  女性セブン

鬼女による炎上背景に日本女性の抑圧か、雇用問題の影響も

鬼女化する背景には、女性たちへの抑圧が?

 1月下旬に報じられた、東出昌大(32才)と唐田えりか(22才)の不倫騒動。東出が、妻である杏(33才)を第3子妊娠中から裏切っていたことやその期間が2年半にわたっていたこと、そして唐田が東出との交際を匂わせる写真やコメントをSNSに頻繁に投稿していたことで、世の女性たちの激しい怒りを買っている。発覚から1か月近く経とうとする今もなおバッシングは終息せず、東出はCMを、唐田はドラマを降板している。

 さらに、藤本敏史(49才)と離婚を発表した木下優樹菜(32才)。その後不倫が噂された木下がインスタグラムの投稿を使って、相手と取り沙汰されていたサッカー・乾貴士選手(31才)に宛てたと思われるメッセージをアップしたことで一気に認識されるようになった。愛娘と一緒に写った写真に添えられた文章の最初の文字を“縦読み”すると《たかしあいしてるずーーっと》と読むことができると騒動に。

 これらへのバッシングは記憶に新しい。SNS上での“調査”を繰り広げる“鬼女”たち。匿名掲示板「5ちゃんねる」の「既婚女性板」の“住民”の略で、ネット上の点と点の情報を「線」に繋ぎあげる調査能力が恐れられている。

 そのベースには社会や環境への不満が根ざしている点は無視できないだろう。フランス在住の評論家で『フランス人の性 なぜ「♯Me Too」への反対が起きたのか』(光文社新書)の著書があるプラド夏樹さんはこう言う。

「日本の女性はあまりにも抑圧されすぎている。職場ではヒールを履いて、眼鏡はしてはいけない、といった服装の不自由さに加えて、セクハラやマタハラはいまだに横行しています。

 子供を育てたり、両親の介護をするのは、女性が主体です。そんな中で、“どうして私はこんなにがまんしているのに、あの人たちは自由が許されるんだろう”という不満が怒りとなって表れるのは、無理もない話」

 コラムニストの今井舞さんは、鬼女たちが暗躍する背景には、女性の雇用問題があると指摘する。

「今の社会は、出産などで仕事を辞めると正社員として復帰するのはかなり難しい状況にあります。鬼女板には、女性に限らず、能力と時間があるのに生かす場所がない人たちの、行き場を失ったエネルギーの吹きだまりといった一面があるように思えます。

 点を線につなげてクリアしていくゲーム性と、倫理に反した人気者の裏の顔を自らの手で暴く快感。スキルと時間とフラストレーションを持て余す人間にとって、これ以上の気晴らしはないのかもしれません。そのバイタリティーをもっとほかのことに生かせれば、と思うばかりです」

 総務省の調査では、女性労働者の半数は非正規雇用にとどまっており、その割合は30代を越えると6割近くなる(2018年度)。

 抑圧的な社会に蔓延する不満はそのまま。私たちの気持ちの拠り所はどこにもっていったらいいのだろうか。精神科医の片田珠美さんはこう言う。

「確かに他人を叩いて失墜させるとその時だけは相対的に自分が上がる気分になるかもしれませんが、不平不満の解消にはならず、次のターゲットが見つかったら叩くという無限ループに入りかねません。それよりも、自分が幸せになれること、気持ちが上がることをした方が有益です」

 加えて、SNSから一旦距離を置くことも有用だ。

「フランスでは、長く時間をかけて食事をする文化があって、その時はマナーとしてスマホを触らない。だから、強制的にデジタルデトックスされる側面がある。この情報社会では、難しいことかもしれないが、1日に数時間だけでも、SNSを見ない時間をつくることも、必要なのではないでしょうか」(プラドさん)

 テレビもパソコンもスマホも、電源を切ってしまえば存在しない世界。私たちは自ら匂いを嗅ぎに行ってしまっているのかもしれない。

※女性セブン2020年2月27日号

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