ライフ

医師が教える賢い患者になる方法と“名医の条件”

最初の診断が間違っているケースはよくあるという

 具合が悪くて病院に行ったのに、何時間も待たされた挙げ句、診察は数分。そんな短時間で正しい診断をされているのか不安があるものの、聞くには聞けず…。病院に行くことが、ストレスになっていないだろうか? 医師にベストな治療をしてもらい、ひいては自分の命を守るにはどうしたらいいのか。現役医師に教えてもらった。

◆風邪かと思ったら肺炎! 最初の診断は誤診か?

 あなたがもし、このような診療をされたら、どう思うだろうか。

 風邪のような症状で病院を訪れたが、初診では検査は必要ないと言われ、解熱鎮痛薬を3日分だけ処方してもらい、帰宅することに。しかし1週間後、症状が悪化。別の病院の医師に診てもらったところ、肺炎だと判明した──。

 このように、最初の診断が“間違って”いて、症状が悪化してから適切な治療をしてもらうケースは、診療の現場でよくあるという。

 患者からしてみれば、もし最初の医師が的確に診断していれば、悪化することもなかったのに…と、怒りたくなるのは当然だ。しかし、現役医師によると、最初の診断が間違っていたとは言い切れないという。

「このようなケースでは、どんな名医でも最初の段階で肺炎を見抜くのは難しいことが多い。軽い風邪の症状なら、それを緩和する薬を数日分処方するか、あるいは薬を処方しないで、まずは様子を見るのが一般的です」

 こう話すのは、現役外科医の山本健人さんだ。しかし、だったら最初に“ほかの病気の可能性も考えた検査”をするべきだったのではないか。

「問診したとき、風邪の症状しか見られないようなら、リスクを冒してまで検査をする必要はありません。というのも、検査も薬も、必ず副作用があり、体への負担は想像以上に大きいからです。この患者さんがもし、病状が悪化した後も最初の医師のところに再度診察に行っていたら、その医師も肺炎と判断し、そのための治療をしてくれたはずです」(山本さん・以下同)

◆病気に関する情報量が診断を左右する

 1番目と2番目の医師の違いは、医療の腕ではなく、病気に関する判断材料の“量”なのだという。

「最初は風邪でも、時間が経てば状況は変わります。さまざまな要素が重なり、結果として肺炎に発展することはよくあります」

 だからこそ、“様子を見る”という、一見何もしないと思われるような診断も重要なのだという。3日間程度の薬で様子を見て、効果がなかったり、症状が変化するようなら別の可能性を考える。そうすれば、余計な薬や検査といったリスクを冒さずに、よりベストな解答を導き出せる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン