国内

パパ活女性につけこむ犯罪 「被害者200人超」の卑劣手口

パパ活にはリスクもある(写真:アフロ)

「パパ活」とは、経済的に余裕のある男性(多くは中年男性)とデートのような真似をすることで、女性が金銭援助を受けることを指す。2010年代後半に広まり、ある調査では若い女性の10人に1人が経験者だという結果もある。女性が男性に提供する内容は、レストランでの食事や買い物など、相手に踏み込まない当たり障りのないものというのが一般的だったが、最近は、その先を求める男性と応じる女性が出現している。多くのパパ活希望女性の願いは、今より少しの金銭的余裕がほしいというものだ。その思いにつけ込んだ末に起きた事件について、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
 公に表示するには差し障りがある部分にモザイク加工などの処理がなされていない「違法コンテンツ」といえば、昔からつい最近に至るまで、反社会勢力グループの手によって作られ、流通されるものであった。筆者はこれまで、こうした反社会勢力の一部が、ネット上の売買サイトを経由で映像販売するようになった経緯を取材し、記事にしてきた。ネット販売が手段を手軽にしたためか、ごく一部に映像製作経験のない素人が一人で製作から販売までを一貫して行なっている例もあり、その事実にも言及した。そして2月、まさにそんな一人きりで商売してきた素人が実際に逮捕されたのだ。大手紙警視庁担当記者が解説する。

「男は“パパ活”を希望する女性にネット上のマッチングアプリを使って接触し、顔が出ない、風俗のスカウトではないなどと言って女性の警戒心を解き、きわどい撮影への出演を交渉していました。そうして撮影が行われ、販売されていた動画は数百本にのぼり、被害者は200人を超えているとも言われています」(警視庁担当記者)

 逮捕された30代の男・Xは、自身と女性の交わりをビデオなどで撮影し、加工しないままの状態でネット上の売買サイトで販売。中には女性の顔が写っているものあった。聞いていた話と違うと被害を訴える女性らからの通報をもとにした警視庁の捜査で、男の身元が判明したと言う。さらに男は、事前に約束していた女性らへの出演料さえ踏み倒していた可能性がある。知人女性がXから被害を受けたと言う男性が訴える。

「Xはマッチングアプリを使って“パパ活”女性をターゲットにして犯行に及んでいました。そのほとんどは、一回会って撮影をし、そのままバックレるので、女性の多くはXと連絡が取れなくなっていた。そして騙されたと悟った女性たちの心の傷を癒せないうちに、自身の映像がネット上で、無断で販売されていたんです。数人の被害者は、弁護士や警察に相談していますが、そもそもマッチングアプリも偽名で登録されたもので、どこの誰かが全くわからない。泣き寝入りの状態が続いていました」(前出の男性)

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン