SNS上には「ついにXが逮捕された」との書き込みが相次ぎ、Xが詐欺など他の犯罪に関与していたことを示唆する内容も見受けられる。
「Xは様々な仕事を転々としていましたが、いわゆる映像の仕事をした経験はない“素人”でした。詐欺的に女性を騙し、日本の法律が届きにくい海外のコンテンツ売買サイトを使い、少なくとも数千万円の利益を上げていたようで、ネット上の一部では有名人でした。そして犯行の全ては、ほとんど一人でやっていたと思われます」(前出の男性)
当のXは警察の取り調べに対し「違法かどうか考えたこともない」と開き直りのような供述をしていると言うから、開いた口が塞がらない。被害女性を知る前出の男性が続ける。
「最近“パパ活”などという言葉が流行っているからこそ、そこに目をつけたのでしょう。パパ活を誰かに持ちかけるということは、自身が金に困っている、お金のためなら無理がきくと言っているようなもの。そんな女性の前に現金をチラつかせれば、多少の無理でも通ると思い、犯行を続けていたんだと思います」
未成年ではない男女の合意のもとに行われる「パパ活」ならば、たとえそこに金銭が介在した極めて親密な関係性を含んだとしても、それは犯罪ではない。違法とされる、誰かが管理して金銭を介在させるのとは違う、あくまで個人と個人による合意の上での取引だからだ。だが、現実には被害者が発生する事件を引き起こしている。
当然、Xが糾弾されるべき犯罪者で、女性たちが被害者であるという事実は動かない。Xは、いわば金銭を求める女性の立場を逆手に取る犯罪を実行したことに変わりなく、その卑劣さは、誰の目からみても明らかだ。
しかしながら“パパ活”で相手を募集するという行為がきっかけとなり、女性たちが被害に遭ったのも事実だ。マッチングアプリへの登録内容が本物だという保証はないのだから、いくらアプリで何度もやりとりした相手でも、慎重に判断する必要があっただろう。厳しい言い方かもしれないが、一時の欲望や情念に惑わされた挙句、一生消えない傷を背負ってしまったその代償を、誰も支払ってはくれない。全ては自身に振り返ってくるということを、この件を通じて今一度考えてみるべきだろう。