「食事」は「食欲」を満たすというケモノみ溢れる行動だ。「食べる」という行為に没頭していると、ふとした瞬間に「野性」が出てしまうので、ケモノ臭さを隠して人間らしさを保つために「マナー」なるものが生まれたのかもしれない。万物の霊長として恥じないマナーを身につけたいものだ。
ところで、この箸の持ち方問題。私の観測範囲においては、最終的に2つの意見に分かれて落ち着いた。「箸もロクに持てないような人間とはおつきあいしたくない」派と「箸の持ち方なんか自由。そんなくだらないことでゴチャゴチャ言うヤツはこっちから願い下げ」派である。つまり、両者はそれぞれのワールドで交わることなく生きていく。これが世の中の総意だとすれば、案外、箸を正しく持てなくてもなんの問題にもならないのかもしれない。
※女性セブン2020年3月12日号