首相は「(父親の)航空自衛隊の幹部から直接聞いた」と語っていたが、後に、「防衛省の秘書官を通じてうかがった」と修正、証拠の資料とやらは提出されていない。
この総理はやがて世界の景気さえ言葉で動かせると思い込むようになる。伊勢志摩サミット(2016年)では、各国首脳でただ1人、「世界経済はリーマンショック前の状況に似ている」との認識を示し、その年の消費税増税を延期する。逆に、昨年の消費税増税の際には、「増税の影響は小さい」との認識で実施に踏み切った。
首相が経済政策についても自信満々に嘘をつくようになると、役所はそれに合わせて「統計資料の改ざん」を始めた。
「アベノミクスの目標であるGDP600兆円は2020年頃には達成できる」(2015年11月)
→内閣府はGDP統計の計算方法を変更し、2015年度のGDPを30兆円嵩上げしたが、現在も未達成。
「裁量労働制で働く人の労働時間は一般労働者よりも短い」(2018年1月)
→この答弁が厚労省の不正な調査データに基づいていたことが発覚。
「今世紀に入って最高水準の賃上げが継続している」(2019年1月)
→厚労省の毎月勤労統計の不正が発覚、実質賃金が高く偽装されていた。
嘘が出るわ出るわ、状態なのである。
※週刊ポスト2020年3月13日号