「少年野球の『盗塁』については、何かしらルールを決める必要があるとずっと考えていました」
そう話すのは、巨人などで活躍し、現在は侍ジャパンU-12代表監督の仁志敏久氏だ。
「小学生の試合だと盗塁はセーフになるのが当たり前で、試合がぐちゃぐちゃになってしまう。投手のモーションを盗むなど何らかの技術を習得していくならいいのですが、現実的には小学生の盗塁に技術は不要。U-12の国際大会ともなると、誰でもセーフというわけではないですが、それでも足の速い子なら高確率でセーフになる。盗塁の規制が議論されるのはいいことだと思います」
議論が進んでいるのは「軟式」の少年野球だが、「硬式」に目を向けると米国発祥の「リトルリーグ」では、ボールがホームベースを通過してからでないとランナーは塁を離れられないため、事実上、盗塁は禁止。日本発祥の「ボーイズリーグ」では盗塁や振り逃げが認められるなど、団体によりルールが異なっている。
※週刊ポスト2020年3月20日号