国内

五輪延期が政界に与える影響 小池都知事、安倍首相の「明暗」

小池氏は「開催都市のトップ」のままでいられるか(写真/AFP=時事)

「延期論」が浮上する東京五輪。スポーツ界で注目されるのは、「1年延期か、2年延期か」という点だ。スポーツ紙デスクはこう語る。

「1年延期の場合、来年は7~8月にかけて、世界水泳と世界陸上が開催予定という問題がある。いずれもIOCに多額の放映権料を払って五輪を中継する米NBCユニバーサルが放送予定の大会で、調整が難しい。

 2年延期であれば、2022年2月の冬季北京五輪、11~12月のカタールでのサッカーW杯などと重ならず、むしろ“スポーツの年”として盛り上げられるのではないか」

 政界への影響もある。本来であれば、五輪開催中の7月30日に4年の任期満了を迎える小池百合子都知事。五輪前の7月5日に予定される都知事選で落選した場合、「開会式の都知事」と「閉会式の都知事」が違う政治家になるかもしれないという事態があり得たが、延期となればそんなややこしい懸念も解消される。

「現下の情勢であれば、小池氏は再選して4年の新たな任期を得て、1年後であれ、2年後であれ、都知事として五輪を迎えるでしょう。

 一方、安倍晋三首相はどうするつもりか。自民党の総裁任期は2021年9月で切れ、党則を変えない限り4選はできない。このままでは2年延期の場合は“ポスト安倍”の政治家が開催国の首相として五輪を迎えることになります」(政治評論家・有馬晴海氏)

 東京五輪がどうなるのかによって、様々な業界に甚大な影響が及ぶ。複数のシナリオのなかで何が最善なのか。責任ある立場の人間に、客観的な判断が求められている。

※週刊ポスト2020年4月3日号

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン