「糖尿病で薬を止めると、強力な脱力感、冷や汗、目のかすみ、手足の感覚麻痺などに襲われることもある。特に一型糖尿病でインスリンを注射している人の場合、注射をやめると2~3日で血糖値が400~500と急激に上昇し、昏睡状態になる怖れがあります。糖尿病の9割を占める二型糖尿病でも、運動不足や過食などのリスク因子を持つ人がインスリン注射を止めたら血糖値が200~300まで上昇し、脳梗塞などを発症するリスクが高まります」(同前)
日本脳卒中協会常務理事で、獨協医科大学病院脳卒中センター教授の竹川英宏氏は、脳卒中の再発予防薬として処方される抗凝固薬が切れることも危険だという。
「不整脈のひとつである心房細動の患者は、血液をサラサラにして血栓を予防するために抗凝固薬を服用します。しかし、薬を1~2日ほど切らすと心臓にできた血栓が脳や頚の血管でつまり脳梗塞を再発する危険性が高まる。また、一部の抗凝固薬は、定期的に血液検査を実施して、処方する用量を調整する必要があります。休診時は採血ができないため、用量を調整できず危険な状態になる可能性があります」
※週刊ポスト2020年4月10日号