「見舞いに行けない間、家族は『顔を忘れられるのではないか』、『症状が進行するのではないか』と不安に感じます。たとえ医師や看護師がついていてくれるとはいっても、患者のちょっとした変化にいち早く気づくことができるのは家族です」
鈴木氏によれば、富山の総合病院では、認知症患者の女性が、夫と面会できない間に感染症に罹患し、重篤な状態に陥る事例もあったという。
「新型コロナによる面会制限は、いつまで続くのか先が見えない状況です。一律に面会をストップするのではなく、個別の患者の状況に配慮した面会措置を講じたりテレビ電話による面会システムを導入するなど国をあげて対策を考えるべき問題です」(鈴木氏)
※週刊ポスト2020年4月10日号