厚生労働省の食事バランスガイドによると、健康のための野菜摂取量は「1日350g以上、そのうち緑黄色野菜を120g以上」と定めている。死亡率を下げる野菜として名高いのが「アブラナ科」だ。キャベツ、大根、ブロッコリー、チンゲンサイ、クレソン、わさびなどが属する。
「アブラナ科の野菜による健康効果については複数の報告があり、オーストラリアの研究では、アブラナ科の野菜を1日10g食べるごとに、成人女性の動脈硬化関連の死亡率が下がりました。ビタミン類やカロテノイドなどの栄養に加え、『イソチオシアネート』という独特の辛み成分が豊富に含まれることが影響していると考えられます」(佐々木さん)
一部の研究では、アブラナ科の野菜を摂取しすぎると甲状腺がんのリスクが上がるという報告もある。適度な量を、習慣的に食べることが大事だ。
◆食事を15分以内で済ませる人は短命
食事は、食べる内容ももちろんだが、その習慣も寿命にかかわる。朝、昼、夜の「1日3食」が理想的なのはもちろん、1回の食事にかける時間も注意したい。
中国の福建医科大学の調査では、早食いの習慣がある人は、ゆっくり食べる人と比較し、胃がんリスクが2.5倍も高かった。秋津医院院長の秋津壽男さんがはこう言う。
「そもそも早食いする人というのは、食事を味わって食べる余裕もないということ。ハードワークでストレスをため込んでいる可能性が高い。さらに、しっかり噛まずに飲み込んでいるので、胃や腸に負担をかけています。そのせいで病気になるのでしょう。世界で健康的だと注目されるギリシャやイタリアの『地中海式』食生活は、3~4時間かけて食事をします。食べることを楽しめなければ、長生きはできません」
満腹中枢を刺激するためにも、最低でも15分は味わって食べたい。
「数値」にとらわれすぎることは、ストレスを生む原因にもなる。しかし、危険な数値や理想の数値を知ることで、生活を改めるきっかけにもなる。賢く比較して、「長生きの数値」を目指したい。
※女性セブン2020年4月16日号