ライフ

ブッダは「人間の死」という怖ろしい現実にどう向き合ったか

ブッダの修行時代をうつした「釈迦苦行像」(時事通信フォト)

 人は、どうすれば死への恐怖を克服することができるのか──。作家で仏教研究家の平野純氏が、ブッダが自ら実践し、その弟子たちにも課した「墓場での瞑想修行」について解説する。

 * * *
 ブッダの教えは「世を捨て去る思想」だとよくいわれます。この言葉にはどこか消極的で、対決を避けるニュアンスがともなっています。

 ただ、ブッダには終生真正面から対決し、また人にも対決することを説いたものがあった。それが「人間の死」という現実でした。

 ブッダは物質的にめぐまれた少年時代をおくりました。そのなかで初めてみた死体に非常な衝撃をうけた。かれにとって、死はこのうえなく怖ろしいものだった。

 が、重要なのは、だからといってブッダは死から逃げなかったということです。それどころか、かれがあみだした死に起因するPTSD(心的外傷後ストレス障害)の克服法、それは徹底的に死と向き合うということでした。

 修行者たちは、林のなかの空き地に放置された死体が腐敗し、野生動物やウジ虫のエサになって朽ち果て、骨と化してゆく変貌のプロセスの一部始終を「ありのままに」観察し、瞑想の糧(かて)にする修行にうちこんだ。

 この修行を観察の「観」の字をとって「不浄観」といいます。そのねらいは「無常」(ものは一瞬とおかず絶えず変化してゆくこと、の意)を文字通り骨の髄まで会得するところにありました。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン