芸能

十一代目桂文治の面目躍如の相撲噺、実にパワフルな爆笑派

パワフルな爆笑派・桂文治の真骨頂(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、電車で会えるとその日一日、幸せになると言われ「ラッキーおじさん」と呼ばれていた十代目から大名跡を継いで8年目、パワフルな爆笑派である十一代目桂文治についてお届けする。

 * * *
 東西どちらの落語界にも一門が存在する「桂派」の祖は、寛政年間から活躍した上方の初代桂文治。三代目から「文治」の名跡は江戸に移り、七代目のみ大阪に戻ったものの、八代目で再び東京へ。八代目「根岸の文治」、九代目「留さん文治」は落語協会所属の落語家だったが、十代目は落語芸術協会の二代目桂伸治が継いだ。

 伸治時代にテレビで売れて知名度の高い十代目文治は江戸前の芸風で落語ファンに愛され、芸協の会長も務めた。「正しい東京言葉にこだわる」「西武池袋線界隈の女子中高生からラッキーおじさんと呼ばれていた」等、エピソードも数多い。

 その十代目が2004年に亡くなった後、2012年に十一代目を継いだのは弟子の桂平治(1999年真打昇進)。地声の大きさを活かした押し出しの強い芸風には独特な魅力があり、大名跡襲名後は芸協を代表する古典派の実力者として存在感を発揮している。

 2月26日、両国の江戸東京博物館小ホールで「桂文治独演会 相撲噺の会」が開かれた。大の相撲好きで、東京場所には毎度足を運ぶという文治が、両国国技館に隣接している会場で相撲を題材にした落語を聴かせようという趣向だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン