小池都知事の次の一手は?(時事通信フォト)
安倍首相は小池氏と因縁が深い。これまで何度も“煮え湯”を飲まされた。4年前の都知事選では小池氏に自民党推薦候補が敗れ、続く東京都議選では小池氏率いる都民ファーストが旋風を起こして“安倍チルドレン”の自民党都議が大量落選する大敗を喫した。
当時、秋葉原での応援演説で、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と語って支持率が急落したことは首相にとっていまも大きなトラウマになっているはずだ。
そして前回総選挙では、安倍首相が解散を打った途端に、小池氏が国政に介入して「希望の党」を立ち上げると、民進党議員の大部分が合流してたちまち大きな勢力となった。“小池の乱”である。
希望の党は失速して小池氏は大きな批判を浴び、結果的には自民党が大勝したが、あのとき安倍首相が「まさか」と肝を冷やしたのは間違いない。しかし、国民の支持を失い、もはや自分の敵ではなくなったはずの小池氏がコロナ危機で再び蘇って自分の前に立ちはだかってくるとは思ってもみなかったのではないか。
その安倍首相は来年7月の東京五輪が終わると自民党総裁任期を迎える。
一方の小池氏は今年の都知事選で再選され、東京五輪のあとは事実上、フリーハンドになる。政治評論家の有馬晴海氏は、「第二の小池の乱」が起きる可能性があると指摘する。