同じ病気でも再発だと症状や治療法が変わる
再発の可能性に加えて、症状も高リスクになる。
「肝臓がんは時間の経過とともにどんどん生存率が下がり、中高年男性が再発すると危険な可能性があります。肝臓内に再発すると肝機能が大きく低下して肝不全となる可能性が高く、他の臓器に転移した場合もハイリスクになりやすい」(同前)
転移リスクについて浜松オンコロジーセンター院長の渡辺亨医師(腫瘍内科)が指摘する。
「悪性度の高いがん細胞ほど転移しやすい。なかでも胃がんと大腸がんは、門脈という血管でつながる肝臓に転移して再発するケースが多くみられます。門脈の根の部分にある肝臓内の毛細血管に転移したら、手術で完全に切除することはほぼ不可能なので予後が悪くなります」
同様に肺がんも転移リスクが高いという。
「男性の死亡数1位である肺がんはもともと死亡率が高いうえ、再発すると血液を通じて脳や骨に転移することがあります。肺がんが脳に転移すると部位により手足の麻痺や言語障害など重篤な症状が現われます。また肺はすべての臓器からの血液が通るため、様々な部位のがんが肺に転移するケースも多くみられます」(同前)
がんが再発した場合、治療法はどう変わるのか。