「『寺内貫太郎一家』では、やっぱりお父さん(貫太郎)の乱闘シーンが印象に残っています。(長男・周平を演じた)西城秀樹さんが撮影中にセットから落ちて、骨折したこともありました。
病院から戻ってすぐ撮影再開したんですけど、西城さんが『この野郎!』と立ち上がったら、さっきまでしてなかったギプスを腕につけている(笑い)。みんなそれぐらい体当たりでやっていたから、観ている人を惹きつけることができたんだと思います。
あのドラマで描かれた家族って、子供の恋愛に口出ししたり、みんなお節介。だけどそういう家族って温かくてホッとする。現場もみんな本当の家族のようでした」
同作は、ドタバタコメディのようで、涙を誘うシーンも多かった。TBSでプロデューサーを務めた鴨下信一氏は、〈家庭の「恥しいところ、隠しておきたいところ」を容赦なく描いた〉(雑誌「てんとう虫」2011年7・8月号)と記した。
「長女・静江(梶芽衣子)は、幼い頃に石材店の作業場の事故で左足が不自由になってしまう。貫太郎はそれを負い目に感じていて、父親になってから見返すとドラマの見方が変わる」(64・元製造業)
※週刊ポスト2020年4月24日号