ある大学教員は、「音声のみでの授業配信も考えている。資料は別途ダウンロードしてもらい、資料を見ながら音声のみ聞いてもらえばパケ死(※定額の範囲外の通信で高額請求される)などもないのではないか」と考える。ただし音声だけでは学生からの質問受け付けが難しく、学生が受動的になってしまいアクティブラーニングにならないので、チャットや掲示板などで質問などを書き込んでもらって返事を書くなどのやり方を考えているそうだ。

 オンライン授業と言っても、必ずしも動画である必要はない。動画を用いなければ通信量も少なくて済み、ネット接続環境を理由に受講できないリスクが抑えられるはずだ。多くの学生が受講でき、学びを止めない方法はしっかりと模索していく必要があるだろう。

 オンライン授業の問題はまだ残っている。教科書などの教材は、教師と児童・生徒が対面授業を行う場合、権利者に無許諾でコピーなどを使用してもいいとされている。ところがオンライン授業は対象外のため、この点もクリアする必要があるのだ。そこで文部科学省は、4月28日に改正著作権法を施行し、一定の補償金を支払えば、権利者に無許諾で教材をオンライン授業で使用できるようにするという。

 オンライン授業にはまだまだ課題が山積みだ。公立小中高校などではまだ対応していないところが多く、このまま休校が長引くと学力低下などの影響が出る可能性もある。今後、学校現場も学生側もオンライン授業を視野に入れた環境を整えていく必要がありそうだ。感染を拡大させず、しかも学びを止めない。この二つを両立できる方法の模索こそが求められているのだ。

関連記事

トピックス

“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン