寝室も分けたい。寝ている際にも、くしゃみや咳で飛沫感染するおそれがあるからだ。ちくさ病院の内科医・近藤千種さんがアドバイスする。
「できれば2mの距離を置いて横になってください。家の造りで難しい場合は、お互いの顔と足が向き合う姿勢で寝てほしい。また、少なくとも週に1度はシーツを洗濯してください」
3万人近い死者が出たイタリアは、3世代が同居する大所帯が多い。若い世代が感染し、同居する高齢者へと家庭内感染していったケースも多かったという。この例から見ても、高齢の親と同居する場合はとりわけ注意が必要だ。
「食事が最大のリスクなので、できれば別々に食事をとり、食器類を共有しないようにしてください。自宅内で動線を分けて互いに接触しないようにして、部屋も分け、常に2mの距離を心がけてほしい。親の検温も定期的に行うようにしてください」(一石さん)
親と離れて暮らしているなら、時に“非情さ”も求められる。
「高齢の親が“孫に会わせて”と言ってきてもいまはがまんの時期です。スカイプで孫の顔を見せたり、LINEの動画を送ったりしてコミュニケーションを図ってください。親の健康を心配して食べ物などを送る場合は、“到着したらちゃんと箱を拭いてから開けてね”と伝えることを忘れずに」(近藤さん)
大切なのは、「自分はすでに感染していて、知らないうちにウイルスをまいている」と想像して、周囲の人と接すること。それが「新しい日常」の最初の心がけだろう。
※女性セブン2020年5月21・28日号