森林=自然、都市=不自然と二元論で捉える人間の自然観こそ私には不自然に見えます。今後、山や森や河川をどう残し、都市環境をどうしていきたいかを決める責任が人間にあるからこそ、人間中心にならない姿勢が求められています」

 河川には河川のダイナミズムや〈破壊と再生を繰り返す〉日常があり、鳥類もその時々の条件下で進化を重ねてきた。〈むしろ心配なのは、所有権や産業構造や国境というバリアにがんじがらめにされた、人間の方〉とあるように、自らの生命財産を守りつつ、共生の道を託された人間に対しても、カラス先生の視線は等しく優しい。

【プロフィール】まつばら・はじめ/1969年奈良県生まれ。京都大学理学部卒。同大学院理学研究科博士課程修了。専門は動物行動学(ハシブトガラス及びハシボソガラスの生態、行動、進化)。現在、東京大学総合研究博物館特任准教授。『カラスの教科書』『カラスの補習授業』『カラスと京都』『鳥類学者の目のツケドコロ』『カラス屋、カラスを食べる』等、一般書も多数。奈良に生まれ育ち、大学は京都に通ったため、〈直交していない街路は嫌い〉とか。173cm、65kg、AB型。

構成■橋本紀子 撮影■横田紋子

※週刊ポスト2020年5月22・29日号

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