銀行の窓口も混み合った(時事通信フォト)

銀行の窓口も混み合った(時事通信フォト)

 別のホームセンターでは、あまりにも人が集まるために「臨時休業」という苦渋の決断を下したというのだから、従業員の苦労や心配は計り知れない。神奈川県内の100円ショップにも、通常期の数倍の客が訪れていた。理由について「テレビのせい」と憤るのは、同店パートの前川典子さん(仮名・40代)だ。

「自宅にこもってテレビを見ていたところ、100均グッズでDIYしたりスイーツを作るという番組をやっていて店に来た、というお客さんが相当いました。なぜ休業しないのか、と従業員仲間で話していた最中のことで、本当に参りました。自宅にいよう、ステイホームとかアナウンサーが言っているのに、全然真逆のことが起きていたんです。テレビにも腹がたつし、お客さんも悪意はないんでしょうけど……、悪魔のように見えましたね」(前川さん)

 そして「時短営業」をわざわざテレビCMで行なっている携帯ショップには、とある層の客が押し寄せていた。

「お客様が増え始めたのは3月の下旬頃からです。特に高齢者の方が目立ち、朝から並んで毎日来るという人もいたほど。コロナの影響で病院に行けず、時間があるから来た、と仰る方もいました」(埼玉県内の携帯電話販売店店員)

 通常でも2~3時間待ちはザラであったが、ゴールデンウィーク期間中は4~5時間待ちということもあった。さらに、若い客は待ち時間を店の外で潰すが、高齢者はずっと店の中で過ごす。店内は高齢者の3密空間だったいう。

「みなさん、消毒もしっかり行なってくれず、かと思えば消毒液を必要以上に使う人もいて、すぐに入れ替えないとだめなほど。さらに、機種変更や新規契約のお客さんは皆無といってよく、みなさん”携帯の使い方”についてお聞きに来る方ばかり。一部の店頭対応についてはサービスを有料化しているのですが、それを伝えると知らないお客様からはクレームをつけられる……」(埼玉県内の携帯電話販売店店員)

 生活に必要な業種、そして不要不急の定義も曖昧。「お客様は神様」という文化が根強く残るわが国だからこそ、起こるべくして起きた「3密」。ゴールデンウィークが明けても、まだ残る緊急事態宣言期間を、こうした業種に従事する人々は、疲弊と恐怖の中で過ごさなければならない。

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