◆子ども人口も「一極集中」 顕著な地域差も
では、実際にどれだけ子どもの人口は減っているのか。
第1次ベビーブーム(1947年から1949年)直後の1951年には3000万人に迫り、総人口に占める割合は35%超だったが、1980年代後半に2500万人を割り込み、1990年代後半には2000万人を割り込んだ。
終戦直後からの70年間で、じつに子ども人口は約1500万人も減ったことになる。人口の3人に1人が子どもだった時代から、今では9人に1人の少子化時代になってしまったのである。
日本という国から子どもがどんどん消えているわけだが、都道府県別の子ども人口を見ると、前年比で増加したのは東京都のみ。46道府県は減少だ。ここにも“一極集中”があらわれている。子ども人口の多い都道府県は以下の通りだ。
(1)東京都/155万3000人(2)神奈川県/109万9000人(3)大阪府/104万3000人 (4)愛知県/99万1000人(5)埼玉県/88万1000人
人口の多い大都市圏が上位を独占している。当然の結果だろう。子ども人口が少ない県は、鳥取県7万人、高知県7万7000人、徳島県8万1000人──の順。これらの県は、もともと人口が少ない県ではあるが、あまりの落差にあ然とさせられる数字だ。
では、子ども人口の割合はどうか。こちらの上位と下位は下記の通り。
(1)沖縄県/16.9%(2)滋賀県/13.8%(3)佐賀県/13.5%(4)宮崎県、鹿児島県/13.3%
(47)秋田県/9.8%(46)青森県/10.7%(45)北海道/10.8%(44)岩手県、高知県/11.1%
九州・沖縄地区全般的には子ども人口の割合が高く、北海道・東北地区は低い傾向にある。秋田県は子ども人口の割合が10%を割り込んだが、これは、比較可能な1970年以降で初めてだという。
◆出生数低下ペースは予測より2年早まっている
もうひとつ注目すべき深刻なデータが出生数だ。
厚労省が昨年12月に発表した2019年の人口動態統計の年間推計によれば、日本人の出生数は86万4000人で、前年の確定値に比べ5万4400人もの大幅減となった(5.92%減)。年間90万人割れは1899年の統計開始以来初めてである。1947年の出生数は267万8792人だから、約3分の1になってしまった。
婚姻数も減少傾向にある。1970年には年間約103万件だったのが、2019年は58万3000件とほぼ半減している。国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計(2017年発表)では、出生数が90万人を割り込むのは2020年、86万人台となるのは2021年と予測されていたが、減少ペースは2年も早まったことになる。