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コロナで少子化は加速するか 短絡的な「出生率高そう」発言

子どもの数は39年連続の減少で過去最少に

子どもの数は39年連続の減少で過去最少に

 コロナ禍で街中がひっそりとしたGW中に、総務省が子ども人口(15歳未満の推計人口/2020年4月1日現在)を発表した。子どもの数は 前年に比べ20万人少ない1512万人で、39年連続の減少で過去最少となった。総人口(1億2596万人)に占める割合は12.0%で、こちらはなんと46年連続の低下。この先、コロナの影響も加わり少子化はますます加速してしまうのか──。ジャーナリストの山田稔氏が検証する。

 * * *
 歌手の和田アキ子がラジオ番組で、コロナ禍による外出自粛生活で「来年子ども増えるんじゃない? 出生率が高そうな気がする」と発言したことがネット上で非難されるという騒動になった。「不謹慎ですけど……」と断わったうえで、「だって、することないでしょ」と口にしたのだ。

 経済不安、社会不安が高まっているときに、そんな状況ではないという批判が多いのは分かる。常識的に判断すれば、この不自由な社会状況の中で出生率が高まるという考え方は短絡的すぎるだろう。

 しかし、その一方で深刻な問題が表面化した。親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営する熊本市の慈恵病院の妊娠相談窓口に、今年4月に中高生から寄せられた相談が過去最多の75件に達したというニュースだ。

 同病院によると相談件数592件のうち、中高生からの相談が全体の12.7%となり、昨年4月に比べ17件増えたという。

 相談は全国から寄せられ、その内容は「両親が自宅にいない間に交際相手と性交し、妊娠検査薬で陽性が出た」「彼女の生理が遅れている」などといったもの。他県の別の団体の相談窓口にも同様の相談が寄せられているという。コロナ対策による一斉休校が思わぬ事態を引き起こしてしまったわけだ。

 子どもが欲しいのに経済状況や社会不安から諦める若い世代の夫婦がいる一方で、望まない妊娠に動揺する中高生。なんとも不幸な展開が繰り広げられている。

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