国際情報

慰安婦支援団体を告発した元慰安婦「日本には感謝している」

「水曜集会」がなくなる可能性も

韓国で開かれている「水曜集会」

 韓国の慰安婦支援組織が揺れている。長年、元慰安婦たちを“支援”してきた「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協。現・正義記憶連帯)の元代表で、今年4月の韓国総選挙で当選し国会議員に転じた尹美香(ユン・ミヒャン)氏が、市民団体から背任容疑で検察に告発されたことが報じられた。尹美香氏が代表を務めていた2013年、元慰安婦の療養のためという名目で、寄付金を使ってソウル近郊の不動産を当時の相場より高値で買い取ったこと、その不動産は夫の知人を通じて購入したことなどが問題視されている。

 ここに一枚の手紙がある。最近、元慰安婦の金紅玉氏(仮名)が韓国の文喜相国会議長宛に書いたものだ。まだ議長に渡されてはいないが、その一節を紹介しよう。

〈2015年に日本から10億円をもらって元慰安婦のおばあさんたちに1億ウォンずつが渡されることになりました。尹美香から電話が来て、こう言われました。『おばあさん、日本のお金はもらわないでください。挺対協にお金が入れば、私たちから渡します』と話すのです。元慰安婦が絶対に受け取ることができないようにしたのです。私は悔しくて『受け取る』と言いました〉

 文中から自らの意思を否定された口惜しさが滲み出ていた。2015年、慰安婦問題の「最終的不可逆的な解決」を目指し結ばれた日韓合意。日本政府が拠出した10億円を財源に「和解・癒し財団」(現在は解散させられた)が設立され、元慰安婦には1人1億ウォン(約900万円)が支給されることが決まっていた。注目すべきは「挺対協にお金が入れば、私たちから渡します」と尹美香氏に言われたという金紅玉氏の主張である。前述の通り、いま韓国では尹美香氏や挺対協への批判が高まっている。その多くは“カネ”に纏わる話ばかりだ。

 きっかけは元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏の“告発”からだった。5月7日に記者会見を行った李容洙氏は、「挺対協が(旧日本大使館前でデモを行う)水曜集会で集めた寄付金は、慰安婦のために使うべきなのに、使ってこなかった」などと糾弾し、韓国社会は騒然となったのだ。 

「その後も、挺対協は一晩で3300万ウォン(約300万円)を飲食に使ったと指摘されるなど、同団体の不透明な会計に対しての疑惑が噴出しています」(ソウル特派員)

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン