昨年サートゥルナーリアが単勝1.6倍に支持されながら勝てなかったことで「乗り替わりでのダービー勝利はない」というデータは根強く生きている。今年は皐月賞3着のガロアクリークがヒューイットソン騎手から川田騎手へ、2番人気だったサトノフラッグがルメール騎手から武騎手に乗り替わり。とくに武騎手はテン乗りではなく皐月賞トライアルでこの馬を勝たせている。
他に「初」と言えば・・・・。これまでに外国産馬(ダーリントンホール)や1勝馬(アルジャンナ)の勝利はない。またディープボンドには3世代でのダービー制覇という偉業がかかっている。
そして何より平成では一度もなかった「無観客」。27日付のスポーツニッポンによれば、ウインカーネリアンの鹿戸調教師は、前回1944年の無観客ダービーを勝った久保田金造調教師の最後の弟子なのだという。やはりダービーはドラマに満ちている。
皐月賞1、2着馬には敬意を表し、3連単はヴァルコス、ワーケア、サトノフラッグを加えた5頭のボックスを買い、翌日の新聞で「初の~」という見出しが躍っていることを期待する。
それとは別に、1着コントレイル、2着ヴェルトライゼンデ、3着ブラックホールという馬券はけっこう売れるんだろうなあ。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。