スポーツ

日本ダービー コントレイル→サリオスなら実は「平成以降初」

2019年日本ダービーを勝ったのは12番人気のロジャーバローズ

 ホースマンの誰もが夢見るレース、日本ダービー。今年は強力な皐月賞馬を中心としたレースになりそうだ。競馬ライターの東田和美氏が考察した。

 * * *
 平成30年間で8番人気馬以下の勝利はなかったのに、令和元年のダービー馬は12番人気のロジャーバローズだった。その前年、平成では初めて3着までに1~3番人気馬が1頭もからまなかった。16番人気馬がからんだのも初めてで、3連単は285万円となった。つまりデータは「馬の耳に念仏」。なので、平成以降のダービーでの「初めて」や「異端」を炙り出してみた。

 過去31年間で皐月賞の1、2着馬がそのままダービーに出走したのは27回あって皐月賞馬が7勝、2着馬が4勝。2着馬がダービーに出走しなかったのが2回あり、平成では2冠馬が9頭誕生したが、その時の2着馬で、皐月賞に出走していたのはミホノブルボンの2着だったライスシャワーただ1頭。そのライスシャワーにしても皐月賞8着後にトライアルを使っている。つまり2冠馬誕生時の2着馬の前走は、すべてトライアルか前哨戦だ。

 牝馬では桜花賞とオークスの1、2着が同じ馬だったことが3回あるが、牡馬では皐月賞とダービーの1、2着馬が同じだったということは1度もない。入れ替わっただけというのが1回あるだけだ。皐月賞の1、2着馬がダービーでそのまま1、2番人気に推されたことは、平成元年以降全部で7回あるが、1度もその期待に応えていない。つまり今回、1着コントレイル、2着サリオスという馬連・馬単では1番人気なるだろう組み合わせで決着したら「平成以降初」となるわけだ。

 京都新聞杯経由のダービー馬は3頭いるのに、トライアルで出走権を獲得した馬が勝っていない。青葉賞勝ち馬が不在の今年など、早期出世馬にはとても太刀打ちできないと思ってしまう。

 しかし、青葉賞勝ち馬が2着になった7回のうち5回の1着は2冠馬。つまり青葉賞組がこれまで勝てなかったのは、強い馬が立ちはだかっている年が多かったからとも言える。そして皐月賞馬が本当に強いのかどうかは、ダービーを見なければわからないものだ。

 ビターエンダーは皐月賞で大敗しているが、オルフェーヴル産駒でユニオンオーナーズクラブ所属といえばエポカドーロを思い出す。

 ロジャーバローズの前走は京都新聞杯2着。前走がGⅠでもないのに負けていたダービー馬はロジャーバローズが初めてだった。トライアル・前哨戦を勝っていない連対馬は他に前出ライスシャワーとリアルバースデーのみ。ただし3着馬の半数は前走皐月賞以外を使っている。

 ヴァルコスは青葉賞を勝ち馬と同タイムで走りぬけている。2.23.0は昨年のレコードタイムに肉薄。今回の出走馬主としてトップの勝率を誇る大魔神・佐々木主浩氏の所有馬だ。

 また弥生賞2着ながら皐月賞をスキップしたワーケアには先週リーディング首位を奪取したばかりのルメール騎手が引き続き騎乗する。もちろん「前走が弥生賞」というダービー馬は初めて。今年の「前走GⅠ以外なのに勝っていない馬」は侮れない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《TOKIO解散後の生活》国分太一「後輩と割り勘」「レシート一枚から保管」の節約志向 活動休止後も安泰の“5億円豪邸”
NEWSポストセブン
大谷翔平の新投球スタイルを分析(Getty Images)
《二刀流復活》進化する“投手・大谷翔平” 「ノーワインドアップ」と「シンカーボーラーへの移行」の新スタイルを分析
週刊ポスト
中山美穂さんをスカウトした所属事務所「ビッグアップル」創設社長の山中則男氏が思いを綴る
《中山美穂さん14歳時の「スケジュール帳」を発見》“芸能界の父”が激白 一夜にしてトップアイドルとなった「1985年の手帳」に直筆で記された家族メモ
NEWSポストセブン
結婚式は6月26日に始まり3日間行われた(時事通信フォト)
《総額72億円》Amazon創始者ジェフ・ベゾス氏の豪華結婚式、開催地ベネチア住人は「億万長者の遊び場に…」と反発も「朝食17万円、プライベートジェット100機貸し切り」で市長は歓迎
NEWSポストセブン
藤川監督(左)の直訴を金田氏(右)が存命であればどう評したか
阪神・藤川球児監督の「練習着にハーフパンツ着用」直訴で思い出される400勝投手・金田正一さんの言葉「大投手になりたければふくらはぎを冷やしたらアカン」
NEWSポストセブン
「札幌のギャグ男」公式インスタグラムより
《特別支援学級編入を決断した当事者の声》「小3の知能で止まっている」と宣告された中学1年生が抱えた“複雑な思い”「母さんを楽にしてやれるって思ったんだ」
NEWSポストセブン
STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
仲睦まじげにラブホテルへ入っていく鹿田松男・大阪府議(左)と女性
石破“側近”大阪府連幹部の府議、本会議前に“軽自動車で45分ラブホ不倫” 直撃には「知らん」「僕と違う」の一点張り
週刊ポスト
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト
24時間テレビの募金を不正に着服した日本海テレビ社員の公判が行われた
「募金額をコントロールしたかった」24時間テレビ・チャリティー募金着服男の“身勝手すぎる言い分”「上司に怒られるのも嫌で…」【第2回公判】
NEWSポストセブン
妻とは2015年に結婚した国分太一
「“俺はイジる側” “キツいイジリは愛情の裏返し”という意識を感じた」テレビ局関係者が証言する国分太一の「感覚」
NEWSポストセブン