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テレワークと成果主義、高齢者や子育て中の人も正当な評価へ

テレワーク普及で通勤ラッシュもなくなる?(時事通信フォト)

 外出できない、収入が減った、家族ともめ事が増えた──前代未聞の外出自粛期間は、たしかにストレスフルだった。ただ、昔から禍福は糾える縄の如しという通り、「自粛も案外悪くなかった」と感じる人もいるし、実際にそんな研究や統計もある。意外なところに「不幸中の幸い」は転がっていた。

 公益財団法人日本生産性本部の調査によると、自粛期間中にテレワークで働いた人の6割以上が、緊急事態宣言解除後もテレワークを継続したいと回答している。経済評論家の加谷珪一さんは、テレワークをこう評価する。

「この2か月の間に、『何をするために会社へ行くのか』ということを考えた人は多いはず。いままでは、全員が同じ時間に出社して、同じようにデスクに向かい、同じように行動することが求められていましたが、テレワークは『成果』でしか評価されません。集団内で同じ振る舞いをする必要がないので、障害のある人や子育て中の人、高齢の人でも成果次第で正当な評価を受けられるのです」

 働きたい人が、自分のペースで働ける環境が整うことで社会は成長すると加谷さんは言う。これからの日本経済を押し上げるためには、会社へ出勤しなくても、「個人」が活躍できる柔軟さが不可欠だ。

 コロナ自粛が、日本人の労働に対する悪習に一石を投じた一面はまだある。

「たとえば、荷物の手渡しを避ける『置き配』は、再配達の手間を省くためにとても有効です。しかし、日本では『手渡しはまごころ』という考えが根強かった。アメリカではコロナ以前から、手渡しには追加料金がかかる。サービスには相応の対価が必要だということが世間に浸透するきっかけになったのではないでしょうか」(加谷さん)

※女性セブン2020年6月11日号

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