ライフ

高田文夫氏 根っからの東京っ子として呑み屋街にエール

生粋の東京っ子が呑み屋街にエール

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、東京っ子として応援したい呑み屋街についてお送りする。

 * * *
 私が二十歳の頃、ひたすら読みまくった浅草生まれの“江戸っ子直木賞作家”安藤鶴夫でさえ、こう書いた。「“芝で生まれて神田で育ち”、これこそが生粋の江戸っ子なんだろう」と。私の父も浅草だが、芝に生まれなきゃいけないのか。フーテンの寅さんなぞ「私、生まれも育ちも葛飾柴又です」。昔は葛飾あたりは下町とも江戸っ子とも言わなかった。戦後の東京文化はやはり“山の手”だろう。江戸っ子とはあまり呼ばれないが山の手の子で“のてっこ”である。

 山の手の作家で代表的な人といえば向田邦子。向田は現在の世田谷区若林に生まれ、父の転勤で各地に住んだが、育ったのは目黒の祐天寺、学校が麻布で今住んでるのが青山といろんなところに書き、江戸っ子ではなくて“東京っ子”を前面に出す。

 この伝でいけば私だって“てやんでい”な東京っ子。渋谷は富ヶ谷に生まれ、世田谷(千歳船橋)で育ち、社会に出て西新宿に住んでとことん働き、今は麹町に住んで三十年近く、ゆっくりのんびり老いてゆく。コロナにいじめられるこの東京だが、根っからの東京人だから東京が好きなのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

亡くなったことがわかったシャニさん(本人のSNSより)
《ボーイフレンドも毒牙に…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の死亡が確認「男女見境ない」暴力の地獄絵図
NEWSポストセブン
長男・正吾の応援に来た清原和博氏
清原和博氏、慶大野球部の長男をネット裏で応援でも“ファン対応なし” 息子にとって雑音にならないように…の親心か
週刊ポスト
殺害された谷名さんの息子Aさん
【青森密閉殺人】手足縛りプラスチック容器に閉じ込め生きたまま放置…被害者息子が声を絞り出す監禁の瞬間「シングルで育ててくれた大切な父でした」
NEWSポストセブン
竹内涼真と
「めちゃくちゃつまんない」「10万円払わせた」エスカレートする私生活暴露に竹内涼真が戦々恐々か 妹・たけうちほのかがバラエティーで活躍中
女性セブン
史上最速Vを決めた大の里(時事通信フォト)
史上最速V・大の里に問われる真価 日体大OBに囲まれた二所ノ関部屋で実力を伸ばすも、大先輩・中村親方が独立後“重し”が消えた時にどうなるか
NEWSポストセブン
2050年には海洋プラスチックごみが魚の量を上回ると予測されている(写真/PIXTA)
「マイクロプラスチックが心臓発作や脳卒中の原因になりうる」との論文発表 粒子そのものが健康を害する可能性
女性セブン
攻撃面では試行錯誤が続く今年の巨人(阿部慎之助・監督)
広岡達朗氏が不振の巨人打線に喝「三振しても威張って戻ってくるようなのが4番を打っている」 阿部監督の采配は評価するも起用法には苦言
週刊ポスト
大谷が購入した豪邸(ロサンゼルス・タイムス電子版より)
大谷翔平がロスに12億円豪邸を購入、25億円別荘に続く大きな買い物も「意外と堅実」「家族思い」と好感度アップ 水原騒動後の“変化”も影響
NEWSポストセブン
杉咲花
【全文公開】杉咲花、『アンメット』で共演中の若葉竜也と熱愛 自宅から“時差出勤”、現場以外で会っていることは「公然の秘密」
女性セブン
被害者の渡邉華蓮さん
【関西外大女子大生刺殺】お嬢様学校に通った被害者「目が大きくてめんこい子」「成績は常にクラス1位か2位」突然の訃報に悲しみ広がる地元
NEWSポストセブン
京急蒲田駅が「京急蒲タコハイ駅」に
『京急蒲タコハイ駅』にNPO法人が「公共性を完全に無視」と抗議 サントリーは「真摯に受け止め対応」と装飾撤去を認めて駅広告を縮小
NEWSポストセブン
阿部慎之助・監督は原辰徳・前監督と何が違う?(右写真=時事通信フォト)
広岡達朗氏が巨人・阿部監督にエール「まだ1年坊主だが、原よりは数段いいよ」 正捕手復帰の小林誠司について「もっと上手に教えたらもっと結果が出る」
週刊ポスト