山口油屋福太郎の『手作り明太子キット』
◆土産品から自家消費へ「路線」変更
明太子味のおせんべい「めんべい」シリーズで知られる山口油屋福太郎は、大きな打撃を受けながらも積極的に対策を図る。
「弊社の主な取り扱いは、業務用食品卸と、明太子やめんべいをはじめとした土産品。特に後者は、駅や空港などの土産品売り場で展開しているため、4月の売り上げは昨年比7割減と大きな痛手を負いました」(山口油屋福太郎企画室・以下同)
だが同社は、巣ごもり需要を見越し、新商品開発をいち早く始めていた。
「自粛ムードが高まりつつあった3月から、お家で楽しめる商品の開発を急ピッチで始めました。一つは、明太子に色んな味をトッピングして、オリジナル明太子を作れる『手作り明太子キット』。もう一つは、『めんべい』と相性の良いカラーチョコ・ピーナッツをミックスした、自宅で食べやすいポケットサイズの『めんべいチップス』。これまでの土産品路線から、自家消費へと転換する必要があると感じました。おかげさまで、6月1日の発売以降、好評を頂いています」
インターネット販売でも、4月から『ファイト!JAPAN企画』として、賞味期限が迫った商品や通常販売していない商品などをお得な価格で販売し、これも大反響となった。しかしそれでも、売り上げ減少をカバーするには程遠いという。
「この状況からどう巻き返していくか。今後は、土産商品だけでなく日常的に食べられる商品を展開したり、販路も土産品売り場に限らず、スーパーやコンビニなどに広げたり、新しい形を模索する必要があるでしょう。新しい商品の開発についても今動き出しています」