◆夏の脱水症状が脳梗塞を引き起こす
脳卒中は、血管が血栓(血のかたまり)で詰まる脳梗塞と、血管が裂けて出血する脳出血の2つに大別される。
「脳梗塞にはさらに、脳の細い血管が詰まる『ラクナ梗塞』、比較的太い血管が詰まる『アテローム血栓性梗塞』、心臓にできた血栓が脳の血管まで流れて閉塞させる『心原性脳塞栓』の3種類があります。脳卒中罹患者の約75%が脳梗塞です」
これらのうち、夏に起こりやすいのがラクナ梗塞とアテローム血栓性梗塞だ。
「夏は汗をかきやすいので、体が脱水になりがちです。すると血液の粘稠度が上がり、血栓ができやすくなるのです。予防のためには、充分な水分補給が必要です」
一方、脳出血は脳の血管が裂けることで起こる。脳梗塞とは逆に冬に罹患者が増える。暖房の効いた部屋から風呂場へ行くときなど、気温差の激しい場所を移動する際、血圧の変動が大きくなり、血管が切れやすくなるためだ。
このほかに、脳にできた動脈瘤が裂けて起こる「くも膜下出血」もある。脳動脈瘤は年齢に関係なく誰にでもできる可能性があるが、その原因はわかっていない。発症は脳卒中全体の数%程度だが、結果が重篤なことが多い。
※女性セブン2020年7月2日号