幼い子供とともに食事をしていた佐々木・渡部夫妻(2019年2月)
行政書士で、男女の離婚問題を主に扱う露木幸彦さんは「三者面談」を希望する女性が多いと話す。
「夫、妻、不倫女の三者面談です。夫と女性の前で、なぜ不倫したのか、これからどうしたいのか、直接聞きたいようです。これは女性特有です」
不倫相手の妻から冷や水を浴びせられた、と話すのは都内で働く薬剤師の鈴木秀子さん(仮名・35才)だ。
鈴木さんは一回り近く年上の上司と不倫をしていた。ある日、スマホに知らない番号から着信が。不思議に思って出てみると、その上司の妻からだった。鈴木さんの実家近くの喫茶店にいるので、来てほしいという。あわてて出かけていくと、思っていたよりも若い見た目のその妻から、お灸を据えられた。
「あなたで何人目かしら。夫の女癖が悪くてごめんなさいね。別れてもらえます? もしも、このままおつきあいされるのなら、あなたのご両親にもきちんとお話をした方がいいと思うの。せっかくここまで来たから、そうしますか」
上司の妻は夫に知られることなく、密かに鈴木さんの連絡先を割り出していた。背筋の凍った鈴木さんは、すぐに関係の清算を決めたという。夫に告げず、わざわざ夫の不倫相手の顔を見たがるのは夫に愛があるからだと山崎さんは言う。
「夫に愛情がなければ、相手の女性に関心は持たず慰謝料の対象者と割りきって考えます。そうしないのは、まだ夫との関係を継続させたいからです」
渡部からの不倫告白後、相手女性にすぐさま連絡を取った佐々木もまた、別居も離婚もしないと決断したのだろう。ふたりは互いの裏の顔も含めて深く理解し合う関係を再構築する道を選ぶようだ。
※女性セブン2020年7月2日号