今回の公演では、客席の配置や観客の入退場においても、感染対策が実施された。まず、開場時の中野サンプラザ周辺に観客が集まり“密”になることを防ぐため、観客を座席番号で3グループに分け、それぞれに集合時間を設定。3回に分けて時間差で入場するという形になった。入場の際も、ソーシャルディスタンスを取って整列した。12日の3回目の公演に行った前出の大塚氏は、現場の様子についてこう話す。
「いつものハロコンなら、中野サンプラザの前の広場にファンが大勢集まって、ワイワイやっているんですよ。トレーディング系のグッズの交換スペースなども設けてあるんですが、今回は物販もないので交換スペースもなく、会場周辺のファンの数も明らかに少なかったですね。もちろん。多少は待っている人もいるんですが、できるだけ密にならないように。距離を空けて待機していたように見えました」(大塚氏・以下同)
入場時には、検温と手のアルコール消毒を実施。チケットの半券は切らずに、係員が目視で確認するという形となった。さらに、スマートフォンによる追跡システムも導入された。
「入場時にスマホでQRコードを読み、専用サイトにアクセスして、そこでメールアドレスと座席番号を登録しました。もしも感染者が出たら、このアドレスに連絡がくるという仕組みです」
会場内は、いつものハロコンとは全く違う雰囲気だったという。
「座席は、隣と1席空けて座る形で、前後左右が必ず空席になっていました。いつもよりも開場から開演までの時間も長めで、早く入場した場合は1時間以上待っていた人もいたと思います。でも、会場内はとても静かで、ロビーなどに人が溜まるようなこともあまりなかったですね。基本的に座席について静かに待っている人がほとんどで、観客の感染予防に対する意識の高さも感じました」
演出も通常のハロコンとは全く異なるものだった。
「公演中の演出はとても簡素で、いつものハロコンなら必ずあるステージ上の大型ビジョンもなかったし、照明もシンプルなものでした。完全に“歌を聞かせる”ということに特化した公演でしたね。客席では、ペンライトを胸の前あたりでゆっくり振っているファンが多く、メンバーたちのソロ歌唱をじっくりと堪能している様子でした。もちろん声援をあげるファンもなく、拍手で盛り上げるという感じ。とても素晴らしい雰囲気でしたね」