「ウソがつけない女だから、どこか憎めなくて、丸太郎も本気で好きになってしまうんです」(柴門さん)『恋する母たち』3巻より
過激に報じられる騒動は、作品にも影響があったのだろうか? 連載開始の前年(2016年)には、ベッキー(36才)の“ゲス不倫”が世間を賑わせた。
「そうですね…ベッキーの“この恋愛は不倫じゃない”というのは興味深かった。みんなそう思うんですよ、そうじゃないのに(笑い)。今井絵理子さん(36才)の“一線は越えてない”も名言でしたね。
“恋母”では結局3人とも恋をしますが、杏とまりは夫に不倫をされた側でもあります。最近でも、アンジャッシュ・渡部(建)さんが大変なことをしでかしたけど、妻としては東出(昌大)さんの方がイヤですね。会見でどっちが好きか答えられないなんて。そういう意味で、私がこの作品でいちばんイヤな男性は実は慎吾なんです。
つかみどころがなくて、誰にでもやさしくして本気にさせてしまう。怖いですね。繁樹はもう渡部さんと一緒で、そこに愛情なんかなくて自分の欲求を満たすだけだから。もちろんイヤだけど、仕方ないやつなんですよ(笑い)」
【プロフィール】
漫画家・柴門ふみ/1957年徳島県生まれ。1979年デビュー。代表作に『東京ラブストーリー』『同・級・生』『あすなろ白書』(いずれも小学館)など。数々の名作はドラマ化も多数。『老いては夫を従え』(小学館)などエッセイにもファンは多い。
「杏は感情を露わにするとき、誰かに抱きしめてほしくなるのかな」(柴門さん)『恋する母たち』1巻より
※女性セブン2020年7月30日・8月6日号