熊本県では甚大な被害が出た(時事通信フォト)

 一方、わかりにくいのが水害だ。台風・豪雨については昨年6月から「警戒レベル」が用いられるようになった。

「警戒レベルは5段階で、行動を伴うものはレベル3の『避難準備・高齢者等避難開始』が出た時から。レベル4は『避難勧告』及び『避難指示(緊急)』にあたり、危険な場所から安全な場所に全員避難という市町村からの要請・指示(緊急)です。レベル5は『すでに災害が発生している状況』であり、命を守る最善の行動をしなくてはなりません。『大雨特別警報』は警戒レベルが最も高いレベル5に位置付けられています」(同前)

 河川水位の警報も、「氾濫警戒情報・洪水警報」はレベル3に相当し、「氾濫危険情報」や「土砂災害警戒情報」はレベル4、「氾濫発生情報」はレベル5にあたる。

「ただし、テレビの警報は広範囲を示すもので、自分のいるところが該当するかどうかを把握できなければ行動すべきか否かはわかりません。レベル4の『全員避難』も、安全な場所にいる人も全員が対象という誤解がありますが、『危険な場所から全員避難』という趣旨です。早期避難でない場合は、かえって避難経路などで被害を発生させる可能性があります」(同前)

 市町村からは、防災無線や広報車による通達があるが、届かないことも多い。テレビで警報が流れた場合は、自治体の情報を確認すべきだと和田氏は語る。

「市町村のホームページや公式ツイッターなどにも細かい情報は出ます。テレビで情報を把握したい場合は、リモコンの『d』ボタンを押すと、自分の住所に該当する地域の災害状況や交通情報なども確認できます。テレビに住所登録しておくといいでしょう」

 地震、津波、大雨、氾濫、竜巻、噴火……今年から「熱中症警戒アラート」も発信される。テレビから流れる多すぎる警報から、本当に必要な情報を見分けられるかが重要になってくる。

※週刊ポスト2020年7月31日・8月7日号

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