国内

レジ袋有料化で混乱 怒った客が商品置いて帰るケースも続出

7月からレジ袋有料化となった(Avalon/時事通信フォト)

7月からレジ袋有料化となった(Avalon/時事通信フォト)

 それが社会にとって「正しいこと」とされているため、反論どころか疑問点を挙げることすらためらわれることがある。最近で言えば、7月1日から始まったプラスチック製買い物袋(レジ袋)の有料化義務化などがそうだろう。レジ袋有料化に伴う混乱に振り回されるコンビニなどの小売店や消費者の戸惑いについて、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
「エコなのかもしれませんが、店としては全然得ではない。むしろ損が大きくなり続けている…」

 こう危機感を募らせているのは、千葉県内のコンビニ店オーナー・中村慎吾さん(仮名・60代)。7月1日から「レジ袋有料化」がスタートしたが、買い物のためにわざわざ袋を持ち歩く面倒くささに加え、このコロナ禍の最中なら従来のレジ袋を使うほうが衛生的ではないのか、といった疑問も噴出し、賛否両論といった印象だ。さらに、現場からは早くも「失敗だった」との声が上がっているのである。

「例えばですよ、缶ビールやチューハイを5、6本買っていくお客様がいて、レジ袋は有料ですと案内すると、んじゃ2本でいいや、と仰るんです。要は、袋は買いたくないから手で持てる分だけしか買われない。たくさんの商品をカゴに入れてレジまで来て、袋が有料であると聞いた瞬間ムッとして、全部キャンセルで、とそのまま店を出る方もいる。そもそも、お客様一人一人にいちいち説明しなければならず、それだけでも大変なタイムロス。朝や昼などの繁忙帯は本当に大変で、シフトを一枚増やしたほど」(中村さん)

 筆者も、近くのコンビニやスーパーに行く度、エコバッグを持っていくことに大きなストレスを感じている。外出時、ふと何かを買わなければならないと思い出しても、バッグがなければ「通販でいいや」となる。エコバッグ持参でスーパーに行っても、そのバッグに入る分しか買わないから、あれも足りないこれも足りないと目的外のものをカゴに入れることを躊躇うようにもなった。消費者にとっては節約になるのかもしれないが、店からしてみれば潜在的な購買量が減って損が発生しているとも考えられる。

 また、高齢者にとってもエコバッグはかなりハードルが高いようだ。中村さんのコンビニの女性利用客(70代)がいう。

「エコバッグだと店員さんが袋に入れてくれないから自分でやるでしょう? でももたついちゃうのよ。最近は飛沫感染防止用のシートがあるから、それが邪魔しちゃって余計に入れにくい。並んでいる他の若い方に遅い、と文句を言われたこともありますよ。もうコンビニを使うのが怖い」(70代の女性客)

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン