パク氏プロデュースの「NiziU」

 緊張しながら話す彼女たちを、パク氏はいつも笑顔を絶やさず見守る。目を輝かせながらパフォーマンスを見つめる姿は、まるで1人のファンのようだ。

《いまは私のアドバイスを全部忘れて、心から楽しんでください》

 そう声をかけられた練習生たちは、時に練習以上の力を発揮する。

 ある教育ジャーナリストは、パク氏が理想的な「褒め方」と「叱り方」を身につけていると分析する。

「彼は、褒めるときは感動をダイレクトに伝えます。“素晴らしい才能だ”“ぼくが期待した最高レベル”と、誰かとの比較でなく、その人の努力や成長を褒める。そして、感動を伝えた後に『何がよかったか』を論理的に説明する二段構えで称えます」

 反対に、叱るときには決して感情的にならず「何が悪かったか」を論理的に説明する。

 もともとの実力が高く、一見すればうまくパフォーマンスができたと思える練習生にも、努力の跡が見られなければ淡々と直すべき部分を伝える。ただし、「期待していたからこそ残念だった」「次回は楽しみにしているよ」とフォローの言葉も忘れない。前出の常見さんはこう語る。

「彼のやり方は『ダメ出し』ではなく『ポジ出し』といえるでしょう。“何がダメだった”と伝えるのではなく、“こうすればよかった”とフォローし、前向きな気持ちをつくっています。褒めるときも叱るときも、上司に求められるのは『よく見る』こと。部下をきめ細かく観察し、具体的な変化を捉えて伝える。そうしたことが、個性や才能を伸ばすことにつながります」

 虹プロの最終話、最終審査でデビューメンバーに選ばれたミイヒ(15才)に対して、パク氏は彼女のそれまでの努力を労うように、「ご飯をよく食べてね」と優しく声をかけた。

 審査が進むに連れ、当初はふっくらとしていたミイヒが少しずつやせているように見えた。度重なるプレッシャーに、食事ものどを通らなかったのかもしれない。歌やダンスというパフォーマンスだけでなく、そんな彼女の「心の変化」をよく見ているからこそ、発することができる言葉だった。

 すべての最終メンバーが発表されたとき、パク氏が最初に駆け寄ったのはデビューを逃した3人の練習生だった。これまでの努力を知っているからこそ、“よく頑張ったね”“お疲れさま”と声をかける。パク氏の人柄が垣間見えるワンシーンだった。

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