ただし、落選運動の対象となる議員には選挙に強い実力者が多いうえに、たとえネット上で多くの賛同を得たとしても、その議員の選挙区の有権者でなければ実際は投票できない。
それでも方法はある。「ボート・スワッピング(投票交換)」と呼ばれるやり方だ。
これはネット上に落選運動の“投票取引所”を開設し、全国の参加者が自分の住んでいる選挙区と他の選挙区で落選させたい政治家の名前を登録し合う。
その上で、「私はあなたの言う議員が落選するようにするから、あなたは選挙区で○○さんを落選させてください」と投票行動を交換するのだ。3人や4人で交換し合うこともできる。
落選運動には留意しなければならない点もある。
「個人は自由に落選運動できますが、団体となると政治活動との区別が難しく、一定の規制がある。個人活動の注意点は、メールを使って運動する場合、匿名はダメです。他人の名前を騙るケースなど、正体不明のメール扱いで通報される可能性がある。SNSは匿名でも大丈夫です」(上脇氏)
それに留意すれば、今からでも始められるのだ。
※週刊ポスト2020年8月14・21日号