芸能

オーディション番組、80年代途中に低迷 歌が衰退しお笑いへ

1981年12月16日「スタ誕」で行われた1982年にデビューが決まった新人の顔見せに参加した小泉今日子(左)と中森明菜(右)

 HuluやYouTubeで配信されたオーディション番組『Nizi Project』から誕生した9人組ガールズユニット「NiziU」が大人気だ。1年をかけて密着されたオーディションに一喜一憂した視聴者も多かっただろう。

 長い日本の芸能界の歴史の中で、数々のオーディション番組があったが、中でも最も多くのスターを輩出したのが、『スター誕生!』(日本テレビ系、以下『スタ誕』)だろう。1971年に始まったこの『スタ誕』からは、山口百恵(61才)、森昌子(61才)、桜田淳子(62才)の“花の中三トリオ”やピンク・レディーらが、デビューした。

 しかし、1976年に『ホリプロタレントスカウトキャラバン』がスタートし、第1回グランプリを獲得した榊原郁恵(61才)がブレークするなど、芸能事務所が独自のオーディションを行うようになり、次第にオーディション番組への関心も薄れ始める。同志社女子大学メディア創造学科教授の影山貴彦さんが解説する。

「中森明菜(55才)や小泉今日子(54才)が『スタ誕』に出場し、1980年代のアイドル一時代を築いた頃をピークに、お茶の間の関心は、アイドルから漫才ブームに後押しされた、お笑いへ。視聴率もバラエティーが中心になっていきました」(影山さん・以下同)

 最高視聴率28.1%を誇った「スタ誕」の視聴率も次第に低迷。1983年9月、ついに12年間の幕を閉じたのだった。

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