スポーツ

県岐阜商は伝統ユニフォームをなぜ変えた? 鍛治舎監督の思い

古豪のユニフォームを変更した鍛治舎監督の思いは?

 甲子園交流試合で5年ぶりに高校野球の聖地に戻ってきた古豪・県岐阜商。ただ、久しぶりに甲子園で見る同校の選手たちのユニフォームは、以前のデザインとは大きく変わっていた。2年前から同校を率いる鍛治舎巧監督の前任校・秀岳館(熊本)のデザインに似ているような……古参のファンからはそんな声も聞かれた。この“ユニフォーム改革”は、母校の野球部の再建を託された鍛治舎監督の考えがあってのことだった。ノンフィクションライター・柳川悠二氏がレポートする。

 * * *
 明豊(大分)との甲子園交流試合をおよそ6時間後に控えた大会2日目(8月11日)の午前9時半、県立岐阜商業の鍛治舎巧監督から携帯電話にメールが入っていた。試合当日になんだろうかと文面を見るや、目を疑った。

「只今、吹奏楽部の華やかな演奏に送られ学校を出発しました。ようやくたどり着いた甲子園への道、選手たちの燃えたぎる思いが凝縮された1試合、思う存分戦わせます」

 試合当日に岐阜を出発し、そのまま甲子園で試合を戦ったあと、再び岐阜までとんぼ返りするというのだ。岐阜から甲子園まで、おそらく片道3時間以上はかかるだろう。

 いつもの夏とは大きく異なる1試合限りの甲子園とはいえ、日帰りというスケジュールを強行せざるを得なかったのは、7月に校内で発生した新型コロナウイルスのクラスターの影響に違いなかった。

「野球部は指導者も部員も全員が陰性でしたが、社会にご迷惑をおかけしてしまいました。それに、(2年生の)部員にはまだ次がある。(これ以上の感染を防ぐために)日帰りとしました」

 2017年8月に4季連続で甲子園に導いた熊本・秀岳館の監督を退任し、翌2018年3月に母校の指揮官に就任した鍛治舎監督。春夏通算56回の甲子園出場(優勝4回)がありながら、夏は2012年、春は2015年を最後に出場から遠ざかっている母校の野球部の改革を断行してきた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
《大谷は誰が演じる?》水原一平事件ドラマ化構想で注目されるキャスティング「日本人俳優は受けない」事情
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
パリ五輪への出場意思を明言した大坂なおみ(時事通信フォト)
【パリ五輪出場に意欲】産休ブランクから復帰の大坂なおみ、米国での「有給育休制度の導入」を訴える活動で幼子を持つ親の希望に
週刊ポスト