あとは家事代行サービスに対する認識の問題。メイはライバル製薬会社の田所優太(瀬戸康史)と、偶然にも同じマンションの同じ階に住んでいる。自分の部屋の鍵を持って出入りするナギサには、もし田所に遭遇したら「父親だと言って」。嫁入り前の自分が家事をしていないことを、知人にも知られたくないのだ。
ドラマを見ていると「何もそこまで……」という気持ちになってしまう。実は私も、メイと同じく家事はそんなに好きではない。料理が得意だった祖母の血が遺伝したのか、料理だけはこまめにしていてレシピ本も何冊か編集担当をしたことがある。でも片付けることと、裁縫が苦手。掃除と洗濯は辛うじて生きていくためにこなしているようなもの。そんな理由から、家事代行サービスを利用したこともある。
手抜きは罪ではなく、効率的であるという認識を
内容によって異なるけれど、家事代行には5000円以内でできるサービスもあって、決してお手伝いさんを雇うような贅沢なことではない。そして、家事もプロの手にかかると、自分では気づかなかったことをケアしてくれる。何においても「餅は餅屋」だと思っているので、専門家の知識に触れるのは楽しい。ただ、知識が脳内に加わったというだけで、自分で実行することはないのが欠点だろうか。
ここで理解して欲しいのが、令和の現在、家事のプロフェッショナルといえば、前述のようなサービスを提供してくれるスタッフを指す。決して、我が家の奥様のことではない。家事はヒト科として生まれてきたら、やることが当たり前。ここに男女の違いは一切関係ないのだ。最近、ポテサラと冷凍餃子に関するつぶやきが論争を起こしていたけれど、個人的には時代錯誤だという印象。言う通りにそのまま手作りをしていたら、そのうち「白飯は土鍋で炊くべき」と要求をされそうだ。
ごくたまーに、「俺、家事ができないんだよね」と、昭和を彷彿させる男性もいるけれど、できないのならプロにお願いをして、その分、頑張って働けばいいと思う。だからメイにも家事代行を利用していることを隠さずに、堂々と公開してほしい。