──師匠は肥やしにしたのでは?
「よせやい(笑い)。思えば、不倫っていう言葉がメジャーになってから、いろいろ変わったよね。“恋”はしてると思うよ、みんな。囲み取材の時も逆に“どう思う? いい女がいたら口説きたいだろ?”って聞いたんだよ。でも見張り社会は、そういう“イタズラ心”すら許してくれないからなぁ。
あなた方(マスコミ)にも言いたいことはたくさんあるわけよ。無責任に書くだけ書いて、後は何にも知りませんって。『お前らいつかバチが当たるぞ』って言ってやりたいんだけど、それ恐喝になるんだって(笑い)。『呪ってやる』もダメで。『怨んでやる』はいいんだって。だから俺は、怨むことにした(笑い)」
──最後に師匠、「許される不倫」と「許されない不倫」にはどんな違いがあると思いますか。
「難しいなぁ。線引きなんてできないよ。それでも、『許す心』ってやっぱり大事だよね。神はすべてを許す、じゃないけどさ。何かを許すっていうのは一番難しいけど、一番尊いことなんだと思うよ。後はさ、その人が命がけでやってる仕事を見てほしいよね。芸能人なら芸事をね。月並みだけど、そこでちゃんと評価してあげてほしいのよ」
最後に「オチもなくてごめんなさいだけど」と言いながら、タクシーに乗り込んだ。
※週刊ポスト2020年8月28日号